Responsable: Christophe Marquet

École française d'Extrême-Orient
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歌川国芳《高祖御一代略図》[建治三年九月身延山七面神示現]都立中央図書館特別文庫室所蔵
歌川国芳《高祖御一代略図》[建治三年九月身延山七面神示現]都立中央図書館特別文庫室所蔵
北白川EFEOサロン 第2回 寺院所蔵の幽霊画 ―その意味と縁起、口牌、図像―
25 JANUARY 19
フランス国立極東学院とイタリア東方学研究所は、京都大学人文科学研究所と共に、11月から「日本における宗教と民衆への教え(16~19世紀)」という新しい連続講義を開始しました。 この連続講義の目的は、日本の宗教史について研究する、様々な国や機関の研究者や学生の間で、新しい対話や交流を生むことにあります。 2018年から2019年にかけて、6人の講演者が、日本語で発表します。
  
第2回目は、2019年1月25日、フランス国立極東学院・京都支部のセンターで、堤邦彦(京都精華大学・教授)を講演者としてお招きします。

2019年 01月 25日(金)18:00~
場所-フランス国立極東学院・京都支部  

寺院所蔵の幽霊画 ―その意味と縁起、口牌、図像―

講師:堤邦彦(京都精華大学・教授)

コメンテーター:フランソワ・ラショー(フランス国立極東学院・教授)  

日本各地の寺院に秘蔵される幽霊画は美術品か?それとも宗教儀礼の呪具か?この問題は、もちろん二者択一可能なものではないが、すくなくともこれまでの幽霊画の研究に宗教民俗の視点が十分生かされてきたとは言い難い。ここでは、そのような観点から寺蔵幽霊画の宗門的な意味や民俗儀礼との連続性を考えてみたい。とくに女霊救済をテーマにかかげる高僧伝との比較から、死者図像作成の意味の多くの部分に、祟る女の鎮魂と高僧の称揚といった目的性をみとめることができるだろう。 さらにまた、かような宗教文化の延長に、旅する画聖の伝承が派生し、応挙作品をめぐる訛伝、俗伝の四散をもたらした点も考えられるのではないか。  

堤邦彦(ツツミ クニヒコ)
専門は近世日本の怪談文芸、仏教説話。文学作品を中心に日本人の霊魂観、宗教民俗から見た怪談の成立と展開を研究。著書に『近世仏教説話の研究』(1996、翰林書房)、『近世説話と禅僧』(1999、和泉書院)、『近世民間異聞怪談集成』(2003、国書刊行会)、『江戸の怪異譚ー地下水脈の系譜』(2004、ぺりかん社)、『女人蛇体ー偏愛の江戸怪談史』(2006、角川書店)、『江戸の高僧伝説』(2008、三弥井書店)、『絵伝と縁起の近世僧坊文芸』(2017、森話社)、「寺と幽霊画〜死者図像の機能をめぐって〜」(『説話・伝承学』25号、2017・3)、「みちのく幽霊画紀行」(『別冊太陽』2018・8)、「後妻打ち怪談の展開ー唱導と文芸のあいだ〜」(『國語と國文学』2018・10)など。 

参加費無料。ただし、事前にご予約下さい。 efeo.kyoto@gmail.com 、または075-701-0882まで。    

ノゲラ・ラモス・マルタン
鈴木 堅弘